尊きリンチェンドルジェ・リンポチェの法会での開示 – 2021年11月21日

尊きリンチェンドルジェ・リンポチェは台北寶吉祥仏法センターにて自ら殊勝な施身法法会を主られ、並びに貴重な仏法開示を賜われた。

施身法はチベット仏教特有の法門で、中国と日本の顕教にはこの法門がない。この法はある女性の在家瑜伽士が『大般若経』の精神に基づき、密法の所作タントラ・行タントラと瑜伽タントラを基に、それにポワ法を加えた上で、書き上げられたのだ。伝記の記載によれば、アキ護法が地球を離れる前に、最後に修めたのが施身法で、当時、アキ護法が修法された洞窟は青海にあるそうだ。

施身法は八大成就法の一つに数えられ、生涯に渡って此の法を修めれば輪廻を断ち切ることができるとされる。機根が良い者の場合、今生に即身成仏となる。この法の特徴として、人に助けられる必要がないことが挙げられる。手鼓・大鼓・腿骨法器・鈴杵があれば、法を修められる。施身法は、名前の通りに法を修める人が体を以て布施するものだから、施身法には誅法が含まれない。何故なら、全てが捨てられ、全てが与えられるから、それらの怨敵を追い払う必要がなくなるのだ。

施身法を修めることに際し最も大事なのは、我々の六波羅蜜と確実な慈悲心を育てることだ。慈悲心が起きてはじめて全ての仏法が稼働するのだ。ひたすら持呪し念仏すれば修行だと思ってはならない。慈悲心を育てなければ、見込みがない。本性を見通さなければ、阿耨多羅三藐三菩提心を証することができない。先週、開示した不動仏の経典の一節がこうだった:真如本性を以て修めてはじめて無上菩提心を証することができると。見性(けんしょう)なしに、無上菩提心まで修められないとされる。今生にこうした機根や善縁がない者においては、よく話を聞けと勧めたいのだ。


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2021 年 12 月 21 日 更新