寶吉祥仏法センター

金剛上師リンチェンドルジェ・リンポチェは、仏門に帰依して以来、顕密の教理と実修に精進してきた。しかし、多くの人々が仏法について誤った考えを持っているがゆえに、さまざまな問題と苦しみを生み出していることに感慨を覚え、1997年、正しい仏法を広めて人々を救い、直貢噶舉教派の法脈を伝承するため、台湾において仏法センターを成立した。チェツァン法王により祖師ジテンソンゴンの法号「寶吉祥」を与えられ、これをセンターの名称とした。チェツァン法王が自ら認証書を書いた。その内容は「寶吉祥仏法センター」が直貢噶舉教派を代表して、正しい仏法を広めるというものであった。

寶吉祥仏法センターは創立当初、主管機関に対して「社団法人台北市寶吉祥仏教文化交流協会」として登録した。1999年、帰依した弟子はわずか150人だったが、2003年末の段階では、これが300人余りに増えた。また、台湾北部だけでなく、台中、台南、高雄、台東など、遠方からも大勢の人たちが台北を訪れ、定期的に法会に参加するようになった。こうした状況を鑑みて2003年、寶吉祥仏法センターは主管機関に対して、全国的な組織「社団法人中華民国市寶吉祥仏教文化交流協会」の成立を申請した。また、雲林県斗六市に「寶吉祥仏法センター斗六分会」を成立した。リンチェンドルジェ・リンポチェはロウ・千リンポチェを招待して、共同で開光法会を主催した。

リンチェンドルジェ・リンポチェに帰依した弟子たちが増加するに伴い、寶吉祥仏法センターは2004年、「台北市民権西路136号17階」に1000平方メートル近くの面積を持つ、新たな道場を購入した。新たな道場は2004年5月に完成した。チェツァン法王は、複数のリンポチェおよびラマ僧たちを率いて台湾を訪れ、新たに落成した「寶吉祥仏法センター」の新道場のために、開光法会を主催した。寶吉祥仏法センターは現在、千名近くの弟子を持つ。直貢噶舉教派にとっては台湾最大の道場であるばかりでなく、定期的に秘密法によって有情を利益し、かつ在家衆を中心としてチベット仏教を宣教する世界最大の仏教センターである。

寶吉祥仏法センターは定期的に「施身法」法会と共修法会を、また不定期に帰依法会を開催している。すべての法会は、金剛上師 リンチェンドルジェ・リンポチェが自ら主法し、開示している。「施身法」もリンチェンドルジェ・リンポチェが自ら主法し、仏法の慈悲の力で、自分自身の肉体を甘露と化し、法会に出席する人々や、親族を亡くした遺族、前世からの宿業から逃れられずにいる人などに布施して、彼らを淨土へ導いている。現在、リンチェンドルジェ・リンポチェは、何千人の人々のために同時に「施身法」を行うことができる唯一の行者である。

リンチェンドルジェ・リンポチェは長年、数多くの弟子と無数の信徒を救い、死者を極楽浄土へ導き、先祖や前世からの宿業を取り除いてきた。「施身法」によって救われた有情は数知れない。「施身法」法会に参加した多くの人が、がんや深刻な病気、あるいは長い間苦しんできた疾病が改善、あるいは解消されたと言っている。

重度な植物状態に陥っている患者がいた。その家族は、リンチェンドルジェ・リンポチェに対して敬虔な信仰心を持っていた。家族が「施身法」法会に参加したことで、この患者の容態は回復へ向かった。現在、施身法の参加者は毎回1000人ほどの達している。また、日本やインド、オーストラリアなどから遠路はるばるやってきて、施身法に参加する信徒もいる。

共修法会で、リンチェンドルジェ・リンポチェは正しい仏法を講釈している。リンチェンドルジェ・リンポチェは弟子たちに対し、いかにして日常生活において仏法を実践し、自分自身の行為を改め、有情の衆生に煩悩を持たせないかが、あるべき修行であり、正しい仏教徒なのだと伝えている。

このほか、リンチェンドルジェ・リンポチェはしばしば、「息」「懷」「增」「誅」といった法門を修め、弟子たちやあらゆる有情衆生のために業障を取り除き、福徳を蓄積している。仏法を学びたいという信徒には、仏法を尊重させ、うやうやしい心を生み出させ、また帰依を希望する信徒には、まず法会に参加することを求めている。そして、リンチェンドルジェ・リンポチェによる認定と、十分な誠意と信仰心があって、初めて帰依の法会に参加できるのである。帰依した弟子が慈悲心を育て、この世の有情衆生と二度と悪い縁を結ばないようにするため、寶吉祥仏法センターの帰依した弟子たちは大乗仏教の教義にのっとり、一律菜食主義をとっている。

リンチェンドルジェ・リンポチェは、弟子と信徒が仏法の実修と自ら法会に参加することの重要性と意義を体得できるよう、寶吉祥仏法センターのあらゆる法会への参加について、いかなる費用も徴収していない。また、道場は功徳主を設けず、また光明灯も設置していない。有情衆生は平等であるとの理念原則を採用している。

寶吉祥仏法センターが開催する各種の仏法行事、あるいは大型の法会は、いずれもリンチェンドルジェ・リンポチェが中心となって、弟子と共に参与し、準備するものである。また、リンチェンドルジェ・リンポチェは、弟子たちが自ら信徒に声を掛け法会に参加することを奨励している。これは、法王や上師、教派の功徳と仏法のすばらしさを知らしめ、広く有情と善縁を結び、福徳を蓄積することにつながるからである。

寶吉祥仏法センターのあらゆる行事の費用は、特定の目的のみに使用するために集めた寄付に支えられている。あらゆる護持と供養は、いずれも弟子たちが自らの経済能力に応じて自発的に行うものである。リンチェンドルジェ・リンポチェは、信徒の経済的な負担や、道場を護持する弟子たちの負担を理解しているため、ときどき経営母体である寶吉祥グループの事業収入から、仏法センターの活動費を捻出している。貧困な弟子に対しては、リンチェンドルジェ・リンポチェが私財を捻出して、就学や医療費を負担することもある。

寶吉祥仏法センターの創立以来、リンチェンドルジェ・リンポチェは倦まずたゆまず無数の有情を導いてきた。リンチェンドルジェ・リンポチェは「人身を得ることは難しく、仏法を聞くのは難しく、良い上師に会うのは難しい」と常に言い、弟子たちに対して、仏法を学ぶことになったこの縁を大切にするよう諭している。リンチェンドルジェ・リンポチェは常に「仏法は実修を経なければならない。生活の中に常に溶け込み、心で善念を持たなければならない。もし感謝の心と懺悔の心、そして比類のない信仰を持ち、共修法会に絶えず参加すれば、仏法の加持を得て、虚空にあるすべての有情衆生を助け、前世からの業障を解消して、成就することができるだろう」と述べている。

リンチェンドルジェ・リンポチェは、空性の慈悲と知恵を備えた、思慮のきめ細かい人物である。弟子の性格に応じて違った方法で適切な教育を施し、知恵、戒律、大乗仏教の経典によって、弟子の修行を指導している。リンチェンドルジェ・リンポチェは、生活の中で仏法を奉じることの重要性を強調している。最も重要なことは、常に自身を律し、あらゆる利己的な行為と思想を正そうと注意を払うことであると言う。弟子たちが散乱した心や怠惰な心をもたないように、そして何度も仏法にそむいた言行を行ったり、「五毒」の習性に陥ったりしないよう、リンチェンドルジェ・リンポチェは厳しく弟子を教育している。「まっすぐな心は、すなわち道場である」との考えにこだわり、どの弟子や衆生に対してもこびへつらうことがない。弟子の過ちや衆生の問題については、単刀直入に問題の所在を指摘する。厳しいながらも、弟子がこの世で直面する病気や煩悩については、慈悲の心と法門によって道を示してくれる。弟子を拒絶することは絶対になく、積極的に加持してくれることもある。心から懺悔して、十分な信仰を持っていさえすれば、仏法の助けを得ることができるのである。

長年、寶吉祥センターの弟子、そして家族、および無数の有情衆生は、リンチェンドルジェ・リンポチェの慈悲と加護によって、この世で直面する病気の痛みや煩悩を軽減、あるいは取り除いてきた。そして、落ち着いた心で生活し、仏法の学習に専念できるようになった。この寶吉祥仏法センターでは、人々を感動させる奇跡の物語の例が数えればきりがないほどある。すべての弟子たちの心は、金剛上師 リンチェンドルジェ・リンポチェに対する感謝の気持ちで満ち溢れている。

2008 年 07 月 26 日 更新