288:上師リンチェンドルジェ・リンポチェの御恩に感謝致します

2004年の冬、腎臟疾病を患った母は、內湖の三軍総合病院に数ヶ月間入院しました。数年前もまた病状悪化の為、病院に長い間入院をし、これが二度目の入院でした。

この年の冬は非常に寒く、母は長期的に腎臟病を患ったことにより中風から昏睡状態に陥りました。家族は非常に困惑し焦りを感じていましたが、大きな廟で神に祈り保護を求めることしかできませんでした。この期間はずっと父が病院で母の看病をしていました。ある日、父は、病院の王医師が紹介して下さった能力のある修行者に、母の加持をお願いしてはどうかと聞きました。家族の同意後、修行者は病院に赴き母に加持を授けて下さいました。その時、修行者は、母の心中には気に掛けている事が三つあると言い、母はその晚、突如として奇跡的に意識を回復しました。この修行者こそが、現在のリンチェンドルジェ・リンポチェです。

母は一時的に目覚めましたが、リンチェンドルジェ・リンポチェは、母の時間が多くないことを話されました。そこで、リンチェンドルジェ・リンポチェに私達親子を「施身法」法会に参加させていただくようお願いしました。母の病状は徐々に悪化していき、その年の二月初旬に他界しました。しかし、家族の信心が不足しており、因縁もまた不具足であった為、殊勝なポワ法を求めることができませんでした。しかし、慈悲深いリンチェンドルジェ・リンポチェは国内にいませんでしたが、特別に、慧蓮師を葬儀場に送って下さり、母の為に親類一同で唱える六字大明咒をリードして戴いた御蔭で、出棺の時、親類一同は、とても安らかで笑みを湛えた様な母の面持ちを確認することができました。

継続的に施身法会に参加する過程において、非常に印象的だったことがありました。尊貴なるリンチェンドルジェ・リンポチェは、突然、高座上から法会に参加している信徒に向かって敬礼をし、法会参加者は二度と衆生の肉を食べないことを願われました。私は胸中、非常な驚きを感じ、リンチェンドルジェ・リンポチェの大慈悲心に感応したからでしょうか、私も菜食となり、その後、皈依できる種を植え始めました。しかし、施身法会に参加し、たった半年しか経たないのに、自己の怠惰心から中断してしまい、その後、これは心中に善へと転換しようとする気持ちが欠けていたことを知りました。実に罪業深重なる身です。

2006年秋、中国大陸への旅行の途中、血尿があることに気づきました。血尿は頻繁及び突然で、非常な恐怖感を感じていました。また、自分の命が残り僅かであることを直感しました。続いて数日の間、私は人生において心に引っ掛かっているものは何だろうと思索始めました。どこかで奉仕をしようかとも考えました。そして、仏法を学ぶべきことに思い当たりました。そこで、馬偕病院で検査をする一方で、法友の王さんに連絡を取り、自分の身体の状況と仏法を学ぶ希望を伝えました。

宝石店でリンチェンドルジェ・リンポチェに謁見した後、リンチェンドルジェ・リンポチェの最初の加持は、「傲慢過ぎて、数年の時間を無駄にしたので、よく反省するように。」というものでした。帰宅後、じっくり考えてみると、確かに、過去の私は一日中ぼうっと日を過ごし、深く自分を検討することなどありませんでした。二回目に尊貴なるリンチェンドルジェ・リンポチェに謁見した時は、最初から自分の誤りを認め、リンチェンドルジェ・リンポチェの顔色も多少よくなりましたが、続けて自分をはっきりさせるよう仰いました。王さんは、結果も急を要していたことを知り、私に付き添い、リンチェンドルジェ・リンポチェに三度目の謁見を求めました。この時は病院の検査結果も出ていました。正常者の腎臓はおよそ10~12cmですが、私の右側の腎臟には7~8cmの腫瘍があり、医師は悪性腫瘍であると判断していました。尊貴なるリンチェンドルジェ・リンポチェに祈り、どの様にこの事に向き合うべきか、教えを請いました。リンチェンドルジェ・リンポチェは、慈悲深く私に答えました。「向き合うだけでなく受け入れなければならない」と。同時に、「これは良い事である」と仰り、法会への参加を承諾して下さいました。この期間、「懺悔」のテープをよく聴き、ついに2006年11月12日、上師に皈依することが叶いました。

皈依してからの二年は、毎週法会に参加し、上師の慈悲の説法を拝聴しています。明確で心和む教えによって、徐々に仏法の殊勝さを体得することができました。それに対し、心に隠された多くの悪念を発見し続け、自己の罪業が如何に深重であるのかを知ることとなりました。また、病院の検査結果が出てからは、薬は何も飲んでおらず、いかなる治療も受けていませんが、血尿の状況は既に大幅に改善されています。皈依前は、常に血尿が現れていたので、トイレに入る時、恐怖感がありましたが、皈依してからは、症状は徐々に軽くなり、2~3ヶ月に一度、出るだけとなりました。今日まではやはり、数ヶ月に一度の血尿がありますが、病状は改善されています。上師の大きな慈悲心と能力を信じることにより、病気の原因はとっくに取り除かれたはずですが、ただ自分が上師の教えを聴かず、心中の怒りが断絶していないのです。胸中、ただただ慙愧の念を感じ、上師と衆生の恩徳に応えたいと思うばかりです。また、引き続き上師の導きによって、自己の行為を改善し、自己の悪い習性を根絶したいと願っています。尊貴なる金剛上師リンチェンドルジェ・リンポチェの御恩に感謝を申し上げ、仏様菩薩様にも感謝致したいと存じます。

寶吉祥仏法センターの弟子 洪爾泰 2009年1月3日

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2013 年 04 月 06 日 更新