062:胃癌になった父が因縁でリンチェンドルジェ・リンポチェに皈依する

その年、父は胃癌第三期で、胃を切除する手術を受けました。心身ともに苦しむ父は、初めての化学治療で腹膜炎に感染して再び入院し、そして帰らぬ人となりました。年とった父がこの世から去り、そしてリンチェンドルジェ・リンポチェの素晴らしい済度を得ることができました。

思えば、父が腹膜炎で入院している間、父と母は日ごろからとても睦ましいので、母はほとんどの時間を父の付き添いに費やしました。兄と私は退勤後や休みの日には病院に父を見舞いに行きました。父は腹膜炎が引き起こした重い腹水のため、度々腹水を取らねばならず、其のたびに死と戦い、痛みを経験しなければなりませんでした。手術室の外で待つ母と私は父の苦しそうな声を聞き、心が引き裂かれそうで、できることなら父に代わって痛みの辛さを受けたいとばかり思っていました。心の中で一度となく、菩薩に父がもう二度と苦しまなくていいようにと祈りました。或は其のせいか、菩薩は私にリンチェンドルジェ・リンポチェと会わせて下さったのかもしれません。リンチェンドルジェ・リンポチェは仏法を学んだこともない私に菩薩の慈悲と仏法の素晴らしさを見せてくれました。

私が初めてリンチェンドルジェ・リンポチェに会った時、リンチェンドルジェ・リンポチェは父が胃癌になった果業を開示し、父を長らく慈しみ加持してくださいました。それから父の腹水の症状は徐々に消え、父が亡くなるまで父の苦しむ声をほとんど聞くことがありませんでした。その時、私は医師に父の病気の状況と薬について聞きましたが、医師は父にはただ一般の患者と同じ痛み止め薬しか使っていないこと、麻薬は一度も使っていないと言いました。しかし、父の気色はずっと良く、医師や看護師でさえ、父が点滴に頼っている重病人にはとても見えないと言いました。

その期間、リンチェンドルジェ・リンポチェは二回病院を訪れて父を加持し、父の皈依の儀式を行い、私には父の福報が溜まるように続けて法会に参加するよう指示されました。リンチェンドルジェ・リンポチェは、父を済度し、そして弟子の私に二年このかた教え導いて下さり、私の心の中はただただ限りない感恩の心でいっぱいです。リンチェンドルジェ・リンポチェは私の心の中において、父が私に残してくれた貴重な宝物だと思っています。私はその宝を大切にしてリンチェンドルジェ・リンポチェのすべての教えをしっかりと守り、いつの時にも上師の弟子に対する慈しみの加持を思い出し、弟子である私が衆生利益のために心から念じることができるよう、清い心で衆生に代わりリンチェンドルジェ・リンポチェに付いて仏法を学び、本当の仏弟子になれることを祈ります・

鄭婷予

2009 年 02 月 24 日 更新