皈依への因縁

私と主人が初めてリンチェンドルジェ・リンポチェにお目に掛かりましたのは1997年の年末でした。当時私の身体はひどい状態で、夜になるといつも「何か」が近くにあるように感じ、夜中に悪夢で目覚めることも度々で、寝食安からずという状況でした。ある日主人が、彼の友人の息子がわずか五、六歲にして病死した時、とあるリンポチェのお慈悲で済度され、西方極楽世界阿弥陀淨土に往生したと話すのを聞き、「このリンポチェにお会いしたい。此の方なら必ず私を助けて下さる」との思いが湧いて来ました。その友人に、リンチェンドルジェ・リンポチェに拝謁できるよう計らってほしい、と主人を通して友人に依頼しました。主人は私の絶え間ない催促で、二ヶ月余りの後に、ようやくリンチェンドルジェ・リンポチェにお会いすることができました。

その日の午後、私達は夫の友人に連れられ、車で台北市民生社区内を通り抜け道場に着きました。中に足を踏み入れると、年長者の風格を備えながら、非常に若く見える居士が、数珠を手に端座しているのが目に入りました。そのお方がリンチェンドルジェ・リンポチェでした。リンチェンドルジェ・リンポチェは私を見て、「どうしたんだね?」とお尋ねになりました。私が「最近『般若心経』を念じていますが、いつも何かに触れられているように感じます」と答えると、リンチェンドルジェ・リンポチェは、「『般若心経』の意味は分かるのかね?」と重ねて聞かれました。私が「分かりません」と言うと、リンチェンドルジェ・リンポチェは「生死の煩悩から解脱させてくれるものだ」と開示して下さいました。その瞬間、心中の闇が晴れました。「そうだ!眼前のこの修行者こそ、私が長らく捜し求めていたリンポチェなのだ!私はこのお方から仏法を学ぶのだ!思えば、これは私とリンチェンドルジェ・リンポチェとの前世からの因縁に違いない!」

続いてリンチェンドルジェ・リンポチェは私に、手の平を上にして手を開くように言われ、ご自分の手の平で私の手の平の上の方を「スキャン」されました。そして「頭がくらくらしますね?」と聞かれたのです。「なんということだ!全く不思議だ!」と思っていたところ、リンチェンドルジェ・リンポチェは、手にされた数珠で、私の両肩にそれぞれ加持をされ、口中で呪文を唱えられました。その時は、急に元気が湧いて来たように感じ、しかもその夜は朝までぐっすり眠ることができたのです。記憶に残る限りずっと悩まされて来た偏頭痛も、施身法会に初めて参加した時から、雲散霧消し自然に治ってしまったのでした。他にも、不整脈、腎臓の刺すような痛み、腹部の焼け付くような不快感、腰と背中の痛み、両頬のしみ、度々かかっていた風邪も、ここ数年は、リンチェンドルジェ・リンポチェのご加護を被っているお陰で薬に頼らずに治癒してしまっています。

リンチェンドルジェ・リンポチェを知ってしばらくの後、リンチェンドルジェ・リンポチェが「私は弟子を三年観察する。弟子も私を三年観察するが良い」と言われるのを聞きました。ここ数年、私が目にしたリンチェンドルジェ・リンポチェは、仏法に従い修行し、謹厳に持戒し、努力精進し、目上の人を敬い、名利を求めず、しかも昼夜を問わず衆生のために尽くされる修行者でした。このお姿に、私達、歩みののろい弟子達は己を恥じ入るばかりです。

リンチェンドルジェ・りンポチェが日夜心に念じていらっしゃるのは、衆生と弟子のことばかりで、ご加護を頂いた衆生は数知れません。ましてや弟子達への恩徳は、如何なる文字、如何なる言語であっても、万分の一も表すことはできません。あたかも永遠の導師、また暗黒の中の灯明のように、輪迴の苦海から弟子達を導き出して下さいます。弟子達はただ弛まぬ努力を続け教えを奉り、いつの日か衆生に尽くせるようになって、師のご恩、仏のご恩に報いたいと願っております。

最後に、尊いリンチェンドルジェ・りンポチェのご法体がいつまでも安らかであられることを願います。さらに、法輪が常に回り、仏法が常に人々と在り、衆生が皆福報を備え正法を学び、仏果を証せしめんことを願って。南無阿弥陀仏!

弟子 李寶桂頂礼

2009 年 02 月 02 日 更新