799:略説仏経の中で説く佛寺修建造の功徳

尊貴なる金剛上師リンチェンドルジェ・リンポチェ、尊勝なるチェツァン法王、歴代伝承祖師、アキ仏母、諸仏菩薩を頂礼します。皆さんこんにちは。私は今日、皆さんに仏経の中に記載されている寺院を修建造する功徳についてお話ししたいと思います。

《賢愚因縁経》の中に書かれていることですが、ある人が過去世で寺院に行き、大象に乗った一体の佛像を見ました。彼はその大象に穴が空いているのを見たので、土でその穴を塞ぎました。その時から、彼は生生世世、常に高貴な家庭に生まれるようになり、仏が世に出た時には、彼も高貴な家にいました。生まれた時、家の中の蔵に金色の大象が忽然と現れ、その大象の排泄物がつまり金の子でした。そして、その大象はそれからずっと彼の傍に寄り添いました。当時の国王はこの大象を自分のものにしたくなり、その大象を無理に皇宮に連れてきました。ところが、連れてきた大象は皇宮から自然に消えてしまい、しばらくするとまた彼の家に現れます。元々、この大象は彼の因縁の福報から生まれたものなので、他人はどうしても奪い取れないのです。その後、彼は出家によって阿羅漢果を証したが、この象はそれでもずっと彼の傍にいたので、多くの人が参観に訪れ、不便でした。それで佛陀は彼に次のことを三回言うように教えました。「私は今、すでに阿羅漢果を証したので、私はお前を必要としない。お前は私から離れて良い。」すると、大象は自然に離れました。そして、彼が言い終わると、大象はいなくなっていました。彼はただ佛像の乗り物の小さな孔を修理しただけなのに、果報はこれほどもありました。それでは寺院を修理建造する功徳はどれほど大きなものでしょうか?それは言うまでもないことでしょう。

《雜寶藏経》の中に書かれている話です。或る神通力がある人が一人の出家者が残り七日の命であることを透視しました。そこで彼はその出家者に「あなたは七日後に死にます」と言いました。ところが、七日経っても、その出家者は死にませんでした。それで神通力を持つその人は、不思議に思って出家者に尋ねました。「あなたは何か特別なことをしたのですか?」すると、出家者は、「私は何もしていません!ただ寺院の壁の孔を塞ぐための修理をしていただけです」と言った。それを聞いて、この神通力がある人は、首を振りながら「寺院はまさしく福田の中の最も深いところで、必ず死ぬと言われる比丘が長生きすることになります。」と褒め称えました。

有名な護法天王の帝釈天は、寺院を建造した功徳に拠って忉利天に生まれました。昔、カッサパ仏が滅度した後、ある女性が発心して塔寺を修理建造してカッサパ仏を供養し、他に32名が彼女と共に供養を行いました。その供養によって、この女性は忉利天の大天王になり、その他32名も忉利天王になりました。そして忉利天には33名の天王がいるので、忉利天または三十三天と呼ばれます。

《法滅盡経》の記載によると、曾て寺院を建造した三宝地を除き、将来、この世界が劫火に見舞われ、大地のすべてが焼けてしまいます。ここからも寺院の功徳は非常に大きいと言えます。

《分別善悪報応経》に於いて、寺院殿堂を修理建造した仏及び僧には10種の殊勝な功徳が得られると説いています。
1. いつの時も心身が安楽で驚怖を遠ざける。
2. いつの時も柔らかで心地よい寝具を得ることができる。
3. 眉目秀麗な姿に荘厳な衣服、身体からは良い香りがする。
4. もしも人間界に生まれたなら、国王や大臣の名門に生まれ、すべてが望みのままに成就する。
5. もしも聖王に転生したなら、四天下を統理し、自在無礙となる。
6. もしも人間界に生まれたら五欲自在となる。
7. 六欲諸天へ願いのままに往生できる。
8. 色界諸天へ願いのままに往生できる。
9. 無色界諸天へ願いのままに往生できる。
10. 四聖果で発心して修行すれば、仏菩提へ至り、すべて成就できる。

釈迦牟尼仏は曾て「汚濁の世の中で私は文字と仏殿を出現させ、文字及び仏殿を見た時、真の仏の信心と恭敬が生まれます。寺院佛殿を修理建造すると、無数の衆生を輪廻から解脱させることができ、文字と仏殿を供養することは真の我が身を供養するに等しく、その功徳は永遠に尽きることがありません」と説きました。

《廣戒経》の中でも説いていますが、寺院経堂を建造することは、すべての真実福德の中で最大です。寺院を建造することで、一切の障礙が消えます。なぜなら、寺院は仏陀の身語意及び仏法僧の三宝の真実の拠り所であり、修行者が正法を宣説する理由だからであり、仏法が途切れなく正常に伝承することができ、衆生を生死苦海から遠ざけることができ、無量無辺の功徳があります。経典の中で説いているとおり、諸佛如来には無量無辺の殊勝な功徳があり、無量無辺の大智慧,無量無辺の解脱三昧があります。仮に衆生が発心して仏形象を作り、塔寺を建立すれば、得られる徳もまた無量無辺であり、阿耨多羅三藐三菩提に至ることができます。

有名な《金剛経》は、祇園精舎(正式名:祇樹給孤独園)で宣説されました。皆さんは、おそらくこの園林の由来を知らないと思います。仏陀の時代、コーサラ国に一人の裕福な長者が居ました。彼は善行を喜びとしていて、貧しい人や寂しい人を助けることを喜びとしていました。だから人々は彼を孤独の長者と呼んでいました。長者はマガダ国で釈迦牟尼仏の説法を聞き、非常に嬉しく、発心して仏陀に皈依し、更に釈迦牟尼仏にコーサラ国へ来て説法して欲しいと頼みました。当時、釈迦牟尼仏にはすでに1200名の弟子が居たので、釈迦牟尼仏は彼に「コーサラ国へ帰り、清淨な園林を探し、そこに1200名が入れるのなら、私はそこで説法する。」と言いました。孤独長者はそれを聞いて非常に喜び、すぐにコーサラ国へ帰って道場にするための清浄な園林を一生懸命に探しました。長い期間、探し続け、遂に仏陀の望む園林を探し当てました。そこは非常に美しくまた清浄で広大な地でした。彼はこの園林がコーサラ国のジェータ太子の土地だと聞き、長者はジェータ太子のもとへ行ってその土地を買いたいと言いました。彼は先ず太子に仏の功徳を褒め称え、そして太子に言いました。彼は釈迦牟尼仏にコーサラ国に来て説法していただくため、太子の園林を買わなければならないのだと言いました。しかし、ジェータ太子はこの園林が最も好きだったので、孤独長者に売りたくないと思いました。しかし、太子は長者が国内で有名な人であるため、面と向かって断わることを憚り、そして、ある方法を思いつき、彼に諦めざるをえないようにしようと思いました。太子は、「もしもあなたが厚さ5寸の黄金で園林全体の地面を埋め尽くしたなら、私はあなたにこの園林を売りましょう」と言いました。太子は、このような厳しい条件ならば、この長者も必ずや諦めるだろうと思いました。しかしながら、孤独長者がこれほどまでに真面目に受け取るとは誰が想像できたことでしょう。彼はその話を聴くと非常に喜び、すぐに家に帰って蔵を開け、大象に一台一台黄金を載せ、すべてをジェータ太子の園林に運び込み、真面目に黄金を敷き始めました。一塊一塊の黄金が園林全体に敷き詰められました。ジェータ太子はこの件を知ると、非常に驚き、孤独長者の誠意に深く胸を打たれました。そして、太子は「まさか私が彼の功徳に随喜できないとお思いか?」と、園林を孤独長者に布施し、長者の黄金を受け取りませんでした。この園林はジェータ太子が
孤独長者と二人で力を合わせて完成したものなので、この園林は祇園精舎(正式名:祇樹給孤独園)と呼ばれるのです。

この祇園精舎(正式名:祇樹給孤独園)に僧坊を建造する時、仏陀の指示により舍利弗尊者が監督を担当しました。舍利弗尊者は彼の天眼でふと孤独長者が将来この道場を建造することで得る福報を見ました。天上の天宮殿ではすでに建造が完成していました。舍利弗尊者は更に彼の天眼を孤独長者に貸して彼に彼が手にした宮殿が非常に荘厳であることを見せました。後日、釈迦牟尼仏はこの祇園精舎(正式名:祇樹給孤独園)で《阿彌陀経》、《楞嚴経》、《金剛経》を含む多くの重要な仏経をこの道場で宣説しました。二、三千年を経て、私達もこの経典を読むことができ、この経の利益を得ることができます。それはきっと、私達一人ひとりが利益を受けることができると同時に、孤独長者にも福報が与えられているのだと思います。

ここまで話して私たちは非常に慚愧に堪えません。人はどのようにしてその人の上師に対しているのでしょうか?私たちは、どのようにして私たちの上師に報いれば良いのでしょうか?私たちは恭敬心と供養心が足りないため、尊貴なる金剛上師リンチェンドルジェ・リンポチェは本当に辛い思いをされていますし、私たちは誰もが孤独長者のような厚い財力を持っていません。けれども、私たちが必ず学ばなければならないのは、彼の至誠の心です。このように全力を尽くし、全能力を尽くした至誠の心があるからこそ、ジェータ太子が彼の愛する園林を布施して道場にしたことに感動するのです。だから、私たちに必要なのは、このような至誠の心であり、だからこそ、他の人を感動させて影響を与え、道場を建造する偉大な仏行事業を共に完成させることができるのです。つまるところ、必要なのはお金と人だけではなく、更に各種の異なる条件を満たすことが必要で、そして殊勝な功徳が円満となります。私達の将来の道場が祇園精舎(正式名:祇樹給孤独園)のようになり、後世の無量無辺の衆生に利益となる影響を与えることを祈願します。大徳各位が忍耐の心で清聴下さったことに感謝致します。

皈依弟子 第一組 慧誠卓瑪 謹んで書き上げます
2016年5月8日

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2017 年 04 月 23 日 更新