009:回らない軸受

尊貴なる金剛上師リンチェンドルジェ・リンポチェに皈依して以来、慈悲に満ちたリンチェンドルジェ・リンポチェが苦難にある衆生を済度するのを度々拝見しました。想像し難い様々な状況に臨み、リンチェンドルジェ・リンポチェは無造作に問題を解決し、リンチェンドルジェ・リンポチェの弟子達に説く仏法の殊勝さを明示しました。

いつものように、私は法会前に駐車場の車道に待機して、リンチェンドルジェ・リンポチェを慇懃に御迎えしていました。その日、リンチェンドルジェ・リンポチェはエレベーターに乗る前に私を一目見てお聞きになりました。「トラックを持ってますか。」私の仕事はトラックを運転することですが、リンチェンドルジェ・リンポチェには数百人の弟子がおられますから、弟子の一人一人の仕事を覚えているはずはありません。リンチェンドルジェ・リンポチェは続いて、「部品の一つが破損していて危険ですが、部品の名前は分かりません。」と仰りました。しかし、リンチェンドルジェ・リンポチェは部品の位置、形状を詳細に描写し、更にタイヤの中にあり、帰ったら直ぐに修繕するようにお話しになりました。

トラックのタイヤの軸受部品

この部品はタイヤ内の軸受で、完全に開かなければ破損は見えません。破損の状況も知る事はできません。私のトラックは、当初、台中に置いていましたが、リンチェンドルジェ・リンポチェは数百キロ外にあるタイヤの内部の状況を見る事ができたのです!

翌日、修繕工場に行き検査して貰いましたが、工場の人は「壊れていないから問題ない。はずして修繕する必要はない。」と言いました。しかし、リンチェンドルジェ・リンポチェはタイヤの軸受が壊れていることを指摘していましたので、私は退かずに、はずして詳細に検査してくれるようお願いしました。はずした後、リンチェンドルジェ・リンポチェのお話通り、危険な状態でした。

タイヤの二つの軸受の内、一つが既に壊れて引っ掛かり回転せず、もう一つも酷く摩損されました。もし発見せず修繕しなかったら、タイヤ軸は必ず摩損により折れてしまっていたことでしょう。万一、それが走行中であったなら事故となり車の転覆に至り、それが高速道路上での発生なら、結果は想像を超えたものとなるでしょう。もしこのような状況が起きたのなら、私自身が怪我をするだけでなく、家族全員の頼みの綱である収入が途絶え、私を含む家族の生活がどのような状態に陥るか分かりません。もし事故が起きれば他人をも巻き添えにします。本当に恐いことです。リンチェンドルジェ・リンポチェの指示によって私は救われ、私達家族全員も救われました。

吳宗明と彼のトラック

その後、リンチェンドルジェ・リンポチェは、あの日私の近くを通った時、気持ちが動き、私の状況が見えたとお話しになりました。小さな軸受が「死生の間をさまよう」です。リンチェンドルジェ・リンポチェは弟子の一人一人に関心を寄せ、仏法の教えで導いてくれる他、弟子一人一人の周囲状況を常に気遣ってくれているのです。リンチェンドルジェ・リンポチェは、敬い、従い、教えに基づき行動することを常に諭しています。父親のように慈愛の眼差しで私達の全てを考えてくれているのです。リンチェンドルジェ・リンポチェの時世を憐れむ慈悲の菩提心は、辛苦や煩労を厭わず個人の利益を考えず、殊勝な仏法の弘布と一切有情の利益の為だけにあります。衆生の因縁が実り、恭敬心さえあれば、リンチェンドルジェ・リンポチェの不可思議な救済、守護、加持が得られる事でしょう。

皈依弟子 呉宗明 謹んで書き上げます
2016年9月9日修正

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2016 年 10 月 02 日 更新